取材の場で聞いたが、記事にならなかった話 日産GT-Rという国産スーパーカーは、2007年に登場し2025年に生産終了を迎えました。発売当時、私もこの車の助手席に乗せてもらったことがあり、とてつもない加速力とエンジン音に悲鳴を上げてしまったことを覚えています。たった一回の乗車で大ファンになりました。 その日産GT-R開発責任者の水野和敏氏は、2013年のNIDays基調講演に登壇され、私はその取材に同席させていただく機会がありました。私の印象に最も残ったのは、記事には載らなかった「ある運用ルール」の話でした。取材から10年以上が経った今、水野氏が語っていたのはこういうことだったのか、と思うようになりました。 その話を書く前に、まず経営上の問いを一つ置きたいと思います。 【問い】 部門ごとのKPIだけで、組織全体の失敗の原因は見えるか? 多くの企業では、経営のKGI(Key Goal Indicator)を、売上・利益・納期・品質などの切り口で、部門ごとのKPI(Key Performance Indicator)に分解して運用しています。分解の仕方自体は、KPIツリーとして整理されていることが多いと思います。 それでも「KGIが現場に落ちない」「現場がKPIを達成しても業績が上がらない」という悩みは尽きません。目標の分解が悪いのでしょうか。私は、もっと手前に原因があると考えています