第一回:2026年、メインフレーム・モダナイゼーションの現在地 メインフレーム(汎用コンピュータ)は、日本の社会インフラや主要企業の基幹業務システムにおいて、長年にわたり高い堅牢性と信頼性を提供してきました。IBMのz/OS、富士通のXSP/OSIV、NECのACOSなど、各社が独自に発展させたプラットフォームは、現在も重要インフラを支えています。しかし2026年現在、主要メーカーによるメインフレーム事業の撤退・サポート終了方針の提示、および保守を担うベテラン技術者の定年退職によるスキル継承の限界から、事業継続上の実害を伴う課題が顕在化しています。 こうした状況下において企業に求められるのは、単なるシステムの延命ではなく、自社のデータに対する統制(データ主権)を維持し、将来的なデータ活用を見据えたシステムアーキテクチャの再設計です。 本稿では、メインフレームのモダナイゼーションにおける選択肢として、オンプレミス環境や各種クラウド基盤の特性およびリスクを比較・整理することで、失敗しない移行への第一歩を考えます。 1. 確実性を高めるアプローチとインフラの選択肢 メインフレーム脱却において重要な検討事項は、移行後におけるシステム性能、可用性、セキュリティなどの非機能要件の維持です。 プログラム言語の変換のみでは、基幹システムとしての要求水準を満たすことはできません。この課題に対して、V